- インビザライン
2024.3.24
インビザラインの費用は医療費控除できる?必要書類、申請のやり方、計算方法などについて紹介
「インビザラインでも医療費控除は受けられるのだろうか?」「どのように医療費控除を行うのだろうか?」とお考えではないでしょうか?
医療費控除とは、1月1日から12月31日間での1年間で支払った医療費が、合計10万円以上になった場合に受けられる所得控除のことです。今回は、インビザラインの医療費控除について詳しく紹介します。
【本記事の要点】
- インビザラインでも医療目的であれば医療費控除は可能
- 審美目的の場合は、医療費控除外
- 医療費控除対象になる費用とならない費用がある
- 医療費控除をするには、毎年2/16~3/15の間に確定申告を行う必要がある
「機能的に問題がある」場合は、インビザラインは医療費控除できる
結論、機能的に問題があると医師が判断した場合、医療目的による治療になるため、インビザラインでも医療費控除が出来ます。
「じゃあ、歯並びを治したい場合は医療目的にならないの?」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。精密検査をすると、実は「噛み合わせ異常」や「顎の関節に異常がある」などの問題を抱えているケースがあり、医療目的による治療になるケースが多いです。
医療費控除になるかどうかの判断については、矯正歯科医院へ相談してみるのがおすすめです。
また、子供のインビザライン治療は大抵が医療目的になります。なぜなら、子供の場合は咬み合わせなど機能的な問題が多いため、医療目的になりやすいからです。
インビザラインの費用を医療費控除できない?
審美目的でインビザラインを始めると、医療費控除の対象になりません。つまり、見た目を良くしたいという目的でのインビザラインは医療費控除の対象外です。
ただし、先ほど申し上げた通り、患者さん自身が見た目を良くしたいための治療だと思っていても、検査をすると医療目的による治療になることもあるため、ご自身で判断せずに矯正歯科医院へ相談しましょう。
インビザラインで医療費控除対象となる費用について
医療目的であれば、インビザラインは医療費控除の対象です。しかし、どのような費用でも医療費控除の対象になるわけではありません。ここでは、「医療費控除の対象となる費用」と「医療費控除の対象にならない費用」を紹介します。
インビザラインで「医療費控除の対象となる費用」
医療費控除の対象となる費用は次の通りです。
- レントゲンなどの精密検査・矯正診断料
- 矯正調整費用
- 痛み止めなどの処方箋
- アライナー代(装置代)
- 公共交通機関を利用した交通費(付添人を含む)
医療費控除の申請の時に、領収書や診断書が必要になるため、無くさないように保管しておきましょう。また、公共交通機関の交通費で領収書を発行できない場合は、いつ、どこからどこまでの駅、料金などを細かくメモしておくだけでも問題ありません。
インビザラインで「医療費控除の対象とならない費用」
医療費控除の対象とならない費用は次の通りです。
- 自家用車のガソリン代
- 駐車場代
- セラミックなど審美目的の治療費
- ホワイトニング費用
- 分割払いの手数料や金利
- 歯ブラシなどの予防ケアグッズ
- 定期券内での電車やバスの利用
- タクシー代(やむ得ない場合は除く)
- 飛行機代(遠方でしか治療を受けられない場合は除く)
- 新幹線代(遠方でしか治療を受けられない場合は除く)
基本的には、公共交通機関以外の交通手段での通院は医療費控除の対象外です。特別な理由が無い限りは医療費控除の対象にならないので、注意しましょう。また、公共交通機関であっても定期券内の利用の場合は、対象外です。
インビザラインの費用を医療費控除するためのやり方
インビザラインの費用を医療費控除するためのやり方は次の通りです。
- 必要書類の準備
- 医療費控除の明細書の作成
- 確定申告書の作成
- 確定申告書の提出(e-taxがおすすめ)
会社員も年末調整とは別に確定申告が必要です。年末調整では医療費控除の申請はできませんので、注意してください。
また、申告方法は税務署や国税庁のHPから書類をダウンロード&印刷し、書類を作成するか、e-Taxから書類を作成する方法があります。お好みの方法で書類を作成し、申請しましょう。
それでは、それぞれのやり方について簡単に説明します。
必要書類の準備
医療費控除に必要な書類は次の通りです。
- 確定申告書(○) ※1
- 源泉徴収票
- 医療費控除の明細書(○) ※1
- インビザラインの診断書
- 医療費通知書
- 本人確認書類
- 印鑑
- 申告者本人の銀行口座 ※2
- 契約書の写し・信販会社の領収書 ※3
会社員の方は医療費通知書は、会社から受け取ることができます。
※1 (○)は提出書類。国税庁や税務署のHPからダウンロード可能
※2 還付金の振り込み口座
※3 デンタルローンやクレジットカード
医療費控除の明細書の作成
国税庁の「医療費控除の明細書」をダウンロード&印刷し、明細書を作成します。会社員の方は「医療費通知書」を参考に「1 医療費通知に記載された事項」の欄を埋めていきます。
医療費通知書に記載がない医療費は、「2 医療費(上記1以外)の明細」に記載していきます。
治療費の領収書の提出義務はありません。しかし、白色申告は5年間、青色申告は7年間の保管義務があるため、破棄してはいけません。保管時は年度別にファイル分けしましょう。
また、青色申告は、役所へ事前に承認の申請が必要です。申請がない場合は、白色申告になります。
確定申告書の作成(e-Taxがおすすめ)
「令和⚪️年分の所得税及び復興特別所得税の申告書」の書類をダウンロード&印刷し、項目を記入していきます。会社から受け取る源泉徴収票を確認しながら、確定申告書を作成していきましょう。個人事業主やフリーランスの方は、事業収入などの記入を一緒に行います。
もし記入の仕方がわからない場合は、お近くの税務署に聞くと教えてもらうことができます。もしくは、freee会計の「確定申告書の書き方を記入項目別にわかりやすく解説」を参考にしてみてください。
国税に関する各種の手続きについて、インターネット等を利用して電子的に手続きが行えるシステム「e-Tax」を活用すれば、マイナポータルと連携して作成することもできます。申告に必要な各種証明書のデータを一括取得して、確定申告書に自動入力できるためおすすめです。
ただし、利用するには利用者登録やe-Taxとの連携などの事前準備が必要ですので、はじめての方はやや手間に感じるかもしれません。2回目以降は簡単に申請できるため、次年度も確定申告する予定がある方は、利用をおすすめいたします。
確定申告書の提出(e-Taxで提出がおすすめ)
紙で確定申告書を作成した方は、お住まいの税務署へ提出します。直接持参、郵送でも問題ありません。e-Taxで作成した方は、オンラインで提出できます。提出期間は毎年2/16〜3/15です。医療費控除は5年間遡って申告出来るため、各年医療費が10万を超えている人は、申請しておきましょう。
※5年間のトータルの医療費ではなく、1年ごとでの計算になるためご注意ください。
インビザラインの費用を医療費控除するための必要書類
ここでは、インビザライン費用を医療費控除するために必要書類について紹介します。
確定申告書
確定申告書は前年1年間(1/1〜12/31)で得た所得に対する所得税を計算し、申告・納税するための書類です。税務署や確定申告会場のほか、市区町村の担当窓口や指導相談会場、税務署や国税庁のHPから受け取ることができます。
源泉徴収票
源泉徴収票は、1年間の給与収入、納付所得税額、控除額などが記載された書類です。会社員の方は会社から受け取ることができます。個人事業主やフリーランスの方は、取引先に源泉徴収されている場合は、各取引先から源泉徴収票を貰いましょう。
医療費控除の明細書
医療費控除の明細書は、1/1〜12/31までの医療費を一覧にまとめた書類です。国税庁の「医療費控除の明細書」をダウンロード&印刷し、手書きで記入することもできますが、国税庁の「医療費集計フォーム」を利用して、作成することも可能です。
インビザラインの診断書
インビザラインの診断書は治療を受けている矯正歯科医院から受け取ることができます。診断書は医療費控除申請の必須書類ではありませんが、税務署から矯正の目的を確認するために、提出を求められることがあります。
医療費通知書
医療費通知書とは、各健康保険組合から送付される書類です。前々年の11月〜前年10月までの診療分が記載されています。前年の11月〜12月は記載されていませんので、この期間で医療費控除対象の治療を受けた方は、医療費控除の明細書に別途記載しなければなりません。
医療費通知書の送付タイミングは各健康保険組合によって異なります。会社員の方は会社へ書類が届くため、会社から受け取ることになります。
マイナンバーと本人確認書類
確定申告書及び医療費控除の明細書を税務署へ持参か郵送する際に本人確認書類としてマイナンバーが必要です。
マイナンバーがない場合、「マイナンバーが記載された通知カード」もしくは「住民票の写しまたは住民票記載事項証明書」と、「マイナンバーの所有者が本人であることが確認できる書類」が必要です。例えば、公的医療保険の被保険者証、運転免許証、パスポートなどのいずれかで問題ありません。
なお、e-Taxで提出する場合は本人確認書類は不要です。
印鑑
確定申告書に印鑑を押すため、印鑑が必要になります。使用可能な印鑑の種類は「実印」「銀行印」「認印」です。
申告者本人の銀行口座
還付金の振り込み口座を知らせる必要があるため、申告者本人の銀行口座が必要です。一部のネット銀行は対応していないこともあるため、ご注意ください。
契約書の写し・信販会社の領収書
デンタルローンやクレジットカードでの分割払いをした際、ローン契約書やクレジットカード会社からの領収書を準備する必要があります。申請時には不要ですが、税務署から確認を求められた際は、提出する必要があります。
インビザラインの費用を医療費控除するといくら戻る?計算方法を紹介
医療費控除を申請する際、申請者の所得に応じて二つの計算式が存在します。また、総所得金額に応じて、税率が異なります。ここでは、総所得金額に応じて支払う税率と、国税庁「医療費を支払ったとき」を参考に医療費控除の計算式を紹介します。
総所得金額に応じた所得税率(2023年)
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000〜194万9,000円 | 5% | 0円 |
195万〜329万9,000円 | 10% | 97,500円 |
330万〜694万9,000円 | 20% | 427,500円 |
695万〜899万9,000円 | 23% | 636,000円 |
900万〜1799万9,000円 | 33% | 1,536,000円 |
1800万〜3999万9,000円 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
会社員の方であれば、総所得金額は源泉徴収票で確認できます。上記所得税率は変わることもあるため、最新のものは国税庁のHPを確認しましょう。
参照:国税庁「所得税の税率」
所得が200万円以上の計算式
①1年間に支払った医療費総額ー生命保険料などの補てん金ー10万円=医療費控除の額
②医療費控除の額×所得税率=還付金(戻ってくる金額)
■計算例
前提:総所得金額が600万円。
①80万円(1年間に支払った医療費総額)ー0円(生命保険料などの補てん金)ー10万円=70万円(医療費控除の額)
②70万円×20%=14万円
※計算はあくまでも目安です。参考程度にご覧下さい。
所得が200万円未満の計算式
①1年間に支払った医療費総額ー生命保険料などの補てん金ー(所得×5%)=医療費控除の額
②医療費控除の額××所得税率=還付金(戻ってくる金額)
■計算例
前提:総所得金額が190万円。
①80万円(1年間に支払った医療費総額)ー0円(生命保険料などの補てん金)ー(所得×5%)=70.5万円(医療費控除の額)
②70.5万円×5%=35,250円
※計算はあくまでも目安です。参考程度にご覧下さい。
インビザラインの医療費控除についてのよくある質問
ここでは、インビザラインの医療費控除についてのよくある質問をまとめています。
年末調整の時に確定申告はできる?
年末調整では、医療費控除はできません。確定申告の際に医療費控除を申請します。
デンタルローンでも医療費控除を受けられる?
はい、デンタルローンでも医療費控除を受けられます。
医療費控除の申請期間はある?
毎年2/16〜3/15の間に申請を行います。
還付金の振込時期はいつ?
申請後、1〜2ヶ月後に振り込まれることが多いです。詳しくはお近くの税務署や役所にお問い合わせください。
子供と大人で医療費控除の申請方法は変わりますか?
基本的には子供と大人で申請方法の違いはありません。ただし、子供の場合は付き添いで親御さんが一緒に来られることがあり、ご来院頂く際の交通費は控除対象となります。
また、配偶者や扶養家族に限らず、申告する本人と「生計を一にする6親等内の親族および3親等内の姻族」であれば、まとめて申請できますので、分けて申請する必要はありません。
まとめ
インビザラインでも医療目的であれば、医療費控除を受けられます。基本的には医療目的での治療になるため、ほとんどの方は医療費控除の対象になるかと思います。気になる方は矯正歯科医院へご相談をおすすめいたします。
もし尼崎市で、矯正治療を出来る歯科医院をお探しでしたら、永井歯科へお気軽にご相談ください。
また、医療費控除を考えている方はぜひ本記事を参考に、控除の申請を進めて頂けると幸いです。